2024.03.01 | 活動報告
2024.2.19(月)、第11回免疫治療研究センター主催セミナーを開催しました。
小松先生は、2002年に順天堂大学をご卒業され、消化器外科医として研鑽を積まれた後、1型糖尿病に対する低侵襲治療法の一つである膵島移植研究のため、ロサンゼルスのCity of Hopeにポスドクとして研究留学されました。従来、臨床膵島移植では、肝内への膵島移植が主に行われておりますが、肝内の血栓性の炎症反応を契機とした膵島グラフトの早期消失(Instant Blood-Mediated Inflammatory Reaction)や幹細胞由来β細胞グラフトの回収困難が臨床応用ならびに普及の大きな課題となっていました。小松先生は、工学部と連携することで酸素を効果的にグラフトに届けるメッシュを考案し、皮下にメッシュと膵島グラフトを同時に移植することで、従来法と比較し、長期間のグラフト生着に成功しました。課題解決にデバイスを使用する外科医ならではのアプローチで、まさに小松先生の臨床および基礎研究のアイデアが凝縮されたチャレンジングな研究内容でした。「治療法の開発は一人ではできない」、と他分野と連携して臨床に向かって研究を進める小松先生の姿勢が印象的でした。今後はUniversity of California San Franciscoに異動されるとのことで、膵島移植の世界の最先端の機関でさらなる研究開発が期待されます。
お忙しい中、ご講演いただきました小松弘武先生、また、ご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。